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体験者レポート 永住田舎暮らし

日々是好日 ―夫婦でのんびり田舎暮らし―

 
大阪から岡山県県北にある津山市に移住された大口様ご夫婦。
お住まいは、津山市の中でも中心部より北へ車で30分のところにある、緑と水の郷・加茂町。移住されて約1年。現在の暮らしぶりについて取材させて頂きました。

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◆大阪から岡山へ移住されたきっかけを教えてください
サラリーマン時代は転勤族で、12ヶ所転勤しました。そんな生活の中で、いつかは腰を据えて田舎でのんびり暮らしたいと思い、早期退職をして移住を計画しました。
岡山との出会いは、サラリーマン時代に6年間ぐらい岡山で過ごしたこともあり、土地勘はありました。私の実家は新潟、妻の実家が広島ということもあり、その中間ということで岡山を選んだんです。それに、岡山県は災害が少ないから安心ですしね。

◆物件を決められた決め手は?
まず、リーズナブルだったんです。それに、田んぼと畑が付いていましたしね。家も小じんまりとしていたし、そんなに手を加えなくても十分住めそうでした。
子供は独立して私たち二人だけの生活ですから、家の大きさも平屋でちょうど良かったんですよ。だいたい田舎の家は、裏に山が迫っているのが多いんですが、ここはそんなことがなかった。私たちは移住の為の物件を30件ぐらい見てきたんですけど、その中でここが一番ピンッ!ときました。

◆移住をされて、今の日々の暮らしを教えてください
自分の畑をしたり、近所の方の田んぼか、草刈を手伝っています。
この地域は、80歳以上のお年寄りばかりで、ここでは私が若者になるんですけど、お年寄りでもみなさんお元気な方が多くて、みんなで競うように草刈をするんですよ。だから、このあたりは田んぼやあぜがきれいでしょ。荒れている土地がないんです。そうやって、この集落ではご近所同士が協力しながら、先祖から受け継いだ土地を大切に残していっているんですよ。農作業で体を良く動かすようになったので、こちらにきて5kg痩せましたよ。大阪で暮らしていた頃は、ゴルフをしていたんですが、妻に止められて、ドライバーから、草刈り機に変わりましたよー(笑) それに、この辺りでは山からの水がきれいなんで、『ひらめ(アマゴ)』が生息しているんです。今は釣りが楽しみですね。釣れた『ひらめ』はご近所の方におすそ分けをしていますね。さすがにこの町は「水の郷」と呼ばれているだけありますね。

手入れの行き届いた田んぼが広がる

手入れの行き届いた田んぼが広がる

ひらめ(アマゴ)が生育する清流

ひらめ(アマゴ)が生育する清流

◆大阪の都心との生活は大きく変わったと思いますが、田舎での暮らしには慣れましたか?
そうですね・・・まず四季を感じるようになりました。大阪にいた頃は、あまり意識していなかったんですが、ここは日々の移ろいを感じます。ここは静かなところなので、川のせせらぎ、虫や蛙の鳴き声などで、四季の変化を感じることが出来るんです。
利便性では、大阪と違って近くにコンビニもお店もないけど、逆に買い物までの距離も気分転換のドライブになって良いんですよ。ここは、遊ぶところがないから、そのような時間も大切なんです。

◆ご近所の方との交流は
いいお付き合いをさせて頂いていますよ。野菜を頂いたり、私も魚が釣れたら、おすそ分けしたり、毎日行き来していますよ。このあたりの人は野菜作りが上手でたくさん出来るんですよ。 家を買ったときに、家屋や農地以外にも、廃屋の小屋も付いていたんですが、その解体にも、近所の人が手伝ってくれて助かりましたよ。自分達だけでは、なかなかできないですもんね。本当に助けて頂いてます。

廃屋の小屋(作業前)

廃屋の小屋(作業前)

(解体後)廃屋を近隣の方に手伝ってもらい解体作業

(解体後)廃屋を近隣の方に手伝ってもらい解体作業

◆今後、挑戦してみたいこととかやりたいことありますか?
こちらに移住した当初は、寒くて各窓を2重サッシにしたんですが、次は、家をちょこちょこ自分達で手直しをしていきたいと思っています。床など少しフワフワしているところもありますしね。あと解体した廃屋の瓦を使って、玄関前の溝に瓦を敷き詰めていこうかなと思っています。でも、基本は「のんびり暮らすこと」ですよ。自分達のペースでボチボチやっていこうと思っています。

廃屋から出た瓦をリサイクルで畑の溝の中へ埋め込む予定

廃屋から出た瓦をリサイクルで畑の溝の中へ埋め込む予定

畑では約10種類の野菜を無農薬で栽培されています

畑では約10種類の野菜を無農薬で栽培されています

コンポストの中には魚釣り用の「ミミズ」を飼育中

コンポストの中には魚釣り用の「ミミズ」を飼育中

◆移住を考えられている方へのアドバイスがありましたら
『田舎=自給自足生活』というイメージで、生活費は安くなると思われている方が多いと思うけど、案外お金はかかりますよ。都会と同じように、税金とか保険代とか掛かるし、人が暮らしていくうえで最低限必要なお金はいりますよ。野菜とかはご近所さんから頂いたり、家で育てているから必要ないんだけどね。
それに、田舎は働くところがないから、収入や預金などをしっかり考慮した上で、移住をされた方がいいですよね。

※取材後記※
無理せず、ぜいたくせず、ほどほどに、時の流れに合わせて『の~んびり暮らす』がモットーの大口様ご夫婦。仲も良くうらやましい限りのお二人でした。
加茂町の方に移り住まれてまだ日は浅いですが、十分集落の一員になられているご様子でした。
最近では、ご近所とのお付き合いをしたくないから、集落から離れた家が良いと言われる方も増えてきていますが、やはり田舎で暮らすということは、不便な環境の中でお互い助け合いながら生きていくことなのだと思いました。それがなければ本当の意味での田舎暮らしは成り立たないのだと今回の取材を通して改めて思いました。

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