山に井戸を掘る
掘削作業は、途中岩盤にさえぎられましたが、削岩機を使って岩盤を貫通したところで水脈に到達したそうです。施工された方の話では、岩盤の下の水脈は良質な水が得られることが多いのだそうです。
【ユンボによる掘削】
この井戸は約7mの深さまで、ユンボで掘ったものです。
一番深いところに砕石を積み、その上に直径約90センチの井戸ガワを何本か積み重ねてあります。
井戸にも色々な堀片があるようですが、この方式のメリットとしては、人が入れるだけの空間があるので、使い続けていく上でのメンテナンス(掃除など)が比較的容易であること、取水部の目詰まりの心配が少ないことなどだそうです。 ただし、山林でもユンボを搬入できないところでは無理ですし、概ね10mくらいまでが限界だそうです。
この井戸の図(ポンプや浄水器は未設置、実際には水の上部には岩盤層があります。)
ユンボで水が出るところまで掘り進み、砕石を敷き詰めた上に土管(直径90センチ)を重ねていきます。
この砕石の隙間から、井戸の中に水が浸透して貯まる仕組みです。
井戸水は使うほど良く、逆に使わずに放置していると良くないそうです。
地中での水の流れや、砕石の隙間の水の通りに影響するのでしょう。
【そのほか】
- 土管の継ぎ目(特に地表面に近い部分)をコンクリートでしっかり塞いでおかないと雨天時など泥水が混入する
- 農薬などの影響は地表面から3mより下であれば影響のない場合が多い
- 大量に水を使いたい場合は、地中で土管を2本並列にする場合もある。(地表面まで出るのは1本)
【水質について】
場所によって、水質は一定ではない井戸水、飲用水として安全かどうか水質検査を受けることをおすすめします。
1万円程度の検査費用は、山の場合汚染されている可能性は低いものの安心料と考えれば安いものです。
【井戸(地下水)の汚染源】
- 家畜の糞便
- 生活排水(汚水)の混入
- 工場排水
- 農薬
- 土壌によるもの(過度の鉄・鉛・六価クロム・・・等々)
水質検査の結果によっては、何らかの対策が必要となることもあります。
煮沸消毒や塩素減菌器、ろ過装置、浄水器などの設置など水質によって選択することになります。
価格は、数千円台から30万円くらいの価格帯で、多種多様の製品が販売されています。
登山やサバイバル、非常災害時用としては泥水を飲用可能にすると記載されているものまであるようです。
人間にとってありがたくない有害物質や、大腸菌の有無さえクリアすれば、天然の山の水は、水道水よりありがたいものであることは間違いありません。
※今回の井戸掘削費用は、約50万円でした。
まだ掘ったばかりの井戸で、ポンプや浄水器などは未設置ですが、そのようすをまとめてみました。