東京から猫たちと一緒に見知らぬ地岡山へ
◆岡山県に移住しようと決められたきっかけは何だったのしょうか?
―東日本大震災をきかっけに岡山県へ
岡山県には知り合いもおらず、元々「岡山県」に移住しようと考えていた訳ではなかったんです。私たちがこだわったのは、①飼いネコ4匹と一緒に住めるとこ ろ ②食べ物が安くておいしいところ ③東京での仕事があるので、東京へのアクセスが良い というポイントに絞って探しました。猫4匹と一緒に暮らせる住 まいはなかなか無かったのですが、インターネットで調べまくってやっと見つかったのが、岡山県にある岡山市の賃貸物件だったんですよ。猫と一緒に暮らすと いうのは私たち夫婦にとっては大切なポイントだったんですよね。
見つかった物件は、大家さんが5年後に建て替える予定をされており、建て替えるまでの5年間という条件で猫を飼うことができました。そのようなことから岡 山県への移住が決まったんですが、移住先は5年しか住めないので、同時に県内で次の移住先も探し始めました。岡山県はなんといっても食べ物が安くておいし いですからね!
◆今のお住まいを決められたポイントを教えてください。
次に住まいとして探したポイントは、①私たちは荷物が多いのである程度の広さがあるところ ②自分達で作物を作りたいということ ③最寄駅まで徒歩圏内であるということ ④もちろん食べ物がおいしいということ。 そのような点を考えるとどうして も「古民家」になってくるんですよ。いろいろ探して「自然と暮らす株式会社」を知り、物件をいくつか見せてもらっていたんですが、決定までは至りませんで した。
ある日、「自然と暮らす株式会社」の営業の方から連絡があり、松下さんがきっと気に入られる物件が出たよと声をかけてくださったんです。それが今の物件でした。
―まさに一目惚れでしたね
物 件を見て「これだ!」と思いました。古民家ですが、前に住まれていた方が母屋をリフォームされたばかりで本当にきれいでした。家の 随所に前に住まれていた方のこだわりがちりばめられていて、一瞬で気に入りました。おまけに、裏庭には畑も果樹園も付いていましたし、水洗トイレでした。 でも、ここまでいい物件は予算と合わないから、無理だろうな・・と思ったんですが、実は金額もかなりお買い得だったんです。まさに理想の物件に出会うこと ができました。
【購入時の家屋】
◆岡山での暮らしはいかがですか?
―東京では味わえなかった幸せがここにあるんです
まだ、新しい新居には引っ越ししていないんですが、こちらに通いながら今年から自分達で無農薬・無肥料で作った自然農のお米や、野菜、果樹を栽培しています。
ただ単に過度に手を加えないんですけど、素材そのままのおいしさを味わうことが出来て、本当に食べ物がおいしいんです!
裏庭にある果樹も、「ぶどう」「いちじく」「柿」「ビワ」「栗」にと季節ごとに実を実らせてくれて、東京では味わうことのできない幸せがあるんです。
東京に暮らしていた頃に比べて、収入は1/5に減りました。でもここにいれば東京に比べて、コストはほぼ1/10! 野菜はあるし、暖房も薪ストーブですね。裏庭には前に住まれていた方の薪もたくさん積まれています。東京は何でも揃ってたんですけど、もう東京へは戻りたくないですね(笑)
◆今後のご予定を教えてください
妻の父親が脳梗塞で倒れ介護が必要となり、急きょ両親と同居することになったんです。
ですから、両親も住めるようにと手つかずだった納屋と蔵を改装しています。
元々あった骨組みを活かしてリフォームしています。来年の春までには完成する予定ですね。
◆近隣の方とのお付き合いはいかがですか?
引っ越しは来年の春頃を予定しているため、まだ住んでいないんですが、清掃活動などの
地域イベントには必ず積極的に参加させていただくようにしています。この地域は20世帯
の小さな集落なんですが、みなさんいい方ばかりなんですよ。
◆近隣の方とのお付き合いはいかがですか?
私たち夫婦は本当にこのような物件に出会えてラッキーだったとしか言いようがないんですが、でもアドバイスをさせていただくとすれば、「こだわりを明確にし、ブレない」ということ。私たちでいえば「美味い物を安く」ですね。たくさんの物件を見ても、目的が明確になっていれば比較対象はできますからね。
それと、実際に住まれている地域の方に話を聞くことですね。インターネットだと情報量は得ることができますが、「質」は分からないんです。
だから、気になる物件の地域の方と話し、表に出ていない土地柄や災害などを伺うんです。ご近所のお人柄も大切なポイントですし、インターネットでは得られない情報を得ることができますからね。
お父様のリハビリのためにウッドデッキを作り、手すりは歩行訓練に | |
◆編集後記◆
現在、リフォーム中の納屋と蔵も細部にこだわられており、また室内は杉の香りが漂い、中にいるだけでも癒されるひと時でした。古民家ならではの良さもその まま残しつつ、また、建物は住みやすいようにリノベーションされていました。来年春にはればいよいよ新しい暮らしがスタートです。楽しみですね!
また、松下さんのお話の中に「東京への未練は全くありません」と言われていたのですが、私自身田舎育ちの田舎暮らしですので、都会へのあこがれを強く抱い ているのですが、今いる自然・食べ物があたり前ではなく、日々の暮らしに感謝をしなければならないなと改めて感じました。