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体験者レポート 

地域の協力を得ながら、美味しいお米作りに挑戦中!

 
2020年、奥様とともに岡山の田舎へ移住されたHさん。
普段の仕事と並行しながら、購入物件に付属していた地続きの農地でお米作りをされています。
お二人は都会育ちで、農業は全くの未経験!
しかし、そこにはとっても心強い“ある方”の存在がありました。

――田舎への移住について、最初に提案されたのは奥様だったとか。
Hさん:当時住んでいた分譲住宅があったのは、隣家との距離がほんの数十センチほどしかないような住宅地でした。奥さんから「動ける内に、隣家が近くない所へ移住したい」と相談されたのが物件を探し始めるきっかけだったのですが、僕は最初反対していました。田舎へ引っ越したとして、働く所はあるのか?あったとしても現状より収入が凄く下がってしまうのでは?という心配があったんです。そこでまずは、全国規模で開催されている移住相談のイベントへ行ってみることにしました。何回も足を運び、色んな話を聞いても『賛成』に気持ちが傾かなかったのですが、各市町村のお試し移住体験ツアーへ参加し、泊まり掛けで色んな物件を見ていく中で、気が付けば一緒になって真剣に移住先を探すようになっていました。当時スキューバーダイビングをしていたため、「海の近くに住みたい」と考えて某地方で重点的に物件を探していました。ツアーで訪れた先の売主さんと仲良くなったり、「移住したらこんなことをしてみたい」なんて夢も持ちつつありましたが、昨今危惧されている南海トラフ巨大地震に対する不安が拭えずに断念。財産全て流されて命だけ助かっても、その後の生活は厳しいかもしれない、と思ったんです。その時点で探し始めて2年が経過。気持ちが折れかけたりもしましたが、ふと、「今までは市町村発信の情報(空き家バンク物件)しか見ていなかったな」と思って、今度は不動産会社が出している物件を見学してみることにしました。『災害の心配が少ない所』として岡山県を候補に上げて物件探しをしていた時、とあるポータルサイトで自然と暮らすの物件を見付けました。
奥様:実は内覧の際、重点的に見たいと考えていた別の物件があったんです。この物件(現在の家)も候補に上げていたので、ひとまず先に見てみようかとやって来て・・・中を見て、「ここにしよう」と二人の意見が一致(笑)。フィーリングと言いましょうか、「ここならずっと住んでいける」って思ったんですよね。

 

←購入当時の庭の様子。季節を身近に感じられる
 和風庭園が広がっていました。



   
  ←リフォーム後の庭の様子。
 綺麗に整地し、砂利が敷かれています。


 

――近所の方との交流はどうですか?
奥様:この地域の方々は、昔からこの地に住んでいる人達ばかり。都会からやってきた自分達はあまり良く思われないのかも・・・と考えていたので挨拶回りの時はとても緊張しました。恐る恐るお伺いして「これからよろしくお願いします」と挨拶したところ、「こちらこそ!」と明るく接してもらえた時は嬉しかったです。普段の交流も“付かず離れず”といった感じで、都会出身の私達にとって有り難い距離感。でも困っている時は助けてくれるし、例えばゴミ出しのルールがわからない時とかも聞けば親切に教えてくれる、そんな優しいご近所さんに恵まれたのは本当に良かったと思います。

――農地付きの物件を購入されましたが、耕作についての不安などはありましたか?
Hさん:契約の時に農地法の話が出てはいたものの、農地については「草刈りとかの管理だけしておいたらいいか」と、あまり深く考えていませんでした。僕達の前に住んでいた方(売主様)のご家族が畑をされていたようですが、野菜を作っていたのは少しの範囲だけで面積の殆どは放棄状態。でもこんなに広かったら自分達も草刈り程度で、他に何もできないだろうと考えていました。
奥様:こちらへ移住して落ち着いてきた頃でしたか、すぐ近くに住んでいる方(以下、Aさん)と話をするようになり、「農地の草刈りって、どうしたらいいのでしょうか?草刈り機は、どこで・どのようなものを購入すれば?」などと相談したところ、Aさんから「草刈りはするだけ重労働。しかも年1回だけじゃない、草は何度も生えてくるからその度に刈る必要がある。そんなしんどい思いをするくらいなら一緒に米作りをしよう!」と言われて大慌て!自分達は都会育ちで農業経験が全く無いから無理だと、最初はお断りしていました。
Hさん:その後、田起こしを始めなければいけないギリギリの時期に、再度Aさんからお誘いがありました。「自分が教えるから心配しなくて大丈夫。1回だけやってみよう、今年やってみて駄目なら(米作りを)やめたらいいから」との言葉に、それじゃあ1回だけやってみようか、と。
奥様:自分達が米作りをすることについては本当に悩みました。素人にできる訳がないと思っていましたから。Aさんが熱く何度も声を掛けてくれていなければやっていなかったと思います。「自分がいるから大丈夫!」と言っていただけたのも心強くて、気が楽になりました。
Hさん:これは後にわかったことですが、Aさんは沢山研究し、色々な所へ聞き回ってくれていたようです。というのも、僕達が所有するこの農地はもう何十年と荒れ地状態で、米作りができる土では無くなってしまっていたんです。「そんな土で稲作なんて無理だ」「1年目から良い米ができるような土壌へ改良するのは難しい」と周りに言われていたらしいのですが、Aさんは何とか1年目から米ができるよう、独自で調べてくれていたんです。そして僕達はAさんが教えてくれる通りに作業して、なんと、最初の年から一等級の米を収穫することができました。
奥様:もう本当、Aさんには頭が上がりません。1年目から一等米ができるなんて、凄いことだと思います。なので私達はAさんのことを“師匠”って呼んでいるんです。

▲Hさん宅の横に広がる稲の絨毯。すぐ上には、米作りの師匠であるAさんの田んぼがあります。

 

  
▲約500坪もある地続きの田んぼで耕作中。さぁ、今年の出来は如何に?!

 

――お米作りはAさんと一緒に行っているのですか?
Hさん:Aさんは毎年同じ日に田んぼを始めるので僕達もそれに合わせて開始します。農家の方々は耕運機やトラクターといった農業機械を持っている人も多いですが、Aさんや自分は持っていないので、耕うんや田植え・稲刈り等々、機械が必要な作業はAさんの知り合いの方へ費用をお支払いして依頼しています。なので、僕達が行うのは日々の草刈りや肥料撒き・水管理といった作業がメインになりますね。・・・実は今年、トラクターを買ったんですよ。いつもは頼んでいるけど自分でもやってみたくなって(笑)。
奥様:米作りは日々やることが多くて大変ではありますが、作ったお米を食べてくれている人が「美味しいよ」「またお願いね」と言って喜んでくれるのが嬉しいです。

 

←農業機械が出入りしやすいよう、
 家と田んぼの間にある通路も
リフォーム!


 

――ここで暮らしての気付きや、岡山へ移住を検討されている方へのアドバイスなどあれば。
Hさん:岡山は災害が少ないし、時に地震速報が流れることがあっても実際に揺れを体感したことはあまりないので、安心して暮らしていける所だと思っています。あと、空が広く見えるからか、雲が近いと感じました。
奥様:自然が多くて圧迫感がなく、都会と空気や空の色も違う。学校が近くにあるから、時には子ども達の声が聞こえてくるような、静かすぎる環境ではない所も気に入っています。最初の方こそ「農地の管理についてどうしよう!」と悩んだりもしましたが、今はお米を楽しみにしてくれている人が居るし、何より私達自身が“自分達で作った美味しいお米”を食べたい。楽しみながらの米作りを頑張るようにしているので、田舎へ来て大変だと思っていることは無いですね。
Hさん:米作りについては1から10まで自分だけでやろうとしなくても、費用は掛かりますが地元の方や農協等に依頼するという選択肢もあるので、農業経験がなくとも本人のやる気さえあれば何とかなります。自分達も実際に始めるまでは素人でしたからね。でも、地元の方の協力は大切で、必要不可欠だとも思っています。近隣とは一切関わりたくない・自治会にも出たくない、という人はやっぱり地域に歓迎されにくいので、いざという時に協力を得るのは難しくなるかもしれないですね。

 

←移住後に家族の一員となったHさん宅の愛犬は
 レンズを向けると
目線を合わせてくれる、
 可愛くて賢い女の子。

 Hさんご夫婦の癒やし的存在です。


 

【取材後記】
お米作りの師匠さんのお話はHさんから時折伺っていましたが、こんなにも親身になってくださっていた方だったとは!そういった、頼れる存在が居るのはとても心強いですね。
農業は「大変」とのイメージですが、Hさんにとっての師匠さんや地元の方々のような“誰かを頼る”選択肢があれば、その大変さも軽減されるのではないかと思いました。
それに何より、安心して美味しいお米が食べられる!個人的に、そこはとても大きい気がします。
この度は取材でお邪魔させていただき、ありがとうございました。(2024年9月取材)

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